白い巨人よ、永遠に

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ルカ・モドリッチ解体新書〜はじめに〜

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ルカ・モドリッチとは何者か?

 

クロアチア出身のMF、レアル・マドリードに所属する選手、2018年ロシアW杯で母国を準優勝に導いた英雄、バロンドーラー。ルカ・モドリッチというプロサッカー選手は、他の誰もが心から願うも、成し遂げられなかった数々の偉業を達成してきた。いずれは伝説の選手として語り継がれる存在だ。

 

現在所属のマドリーでは、キャリア晩年に差し掛かった35歳でもバリバリの現役で、世界各国から集った何人もの一流若手MFたちとレギュラー争いを繰り広げては、その度に生き残ってきた。彼がマドリーの中心選手であることに、マドリディスタから異論は出ないだろう。しかし、ここで一つの疑問が湧く。モドリッチは何が、他の選手たちよりも優れているのか?

 

モドリッチは中盤の選手だ。MFと表記されるそのポジションは、90分間ピッチ上のいたるところを駆け回りながら、DFとFWの間で飛び交うボールを、絶えず中継し続けることが求められる。DFとFWに専門特化型の選手が多いのとは対照的に、MFは万能型の選手が多い。担当するエリアの特性上、攻撃にも守備にも高いレベルが必要となる。

 

オールラウンダーの多いMFの中でも、モドリッチはキング・オブ・オールラウンダーである。それは「何でもそこそこ出来る」という《器用貧乏》を意味しているのではなく、「何もかもが突き抜けている」という《万能超人》に近い。だから、だろうか。「モドリッチのどこが優れているのか?」という問いは、禅問答のように脳裏をグルグルと周回し、いつもたった一つの答えに辿り着く。「モドリッチは全てがすごいのだ」という風に。

 

それでは、何かを語ったことにはならない。全てとは何か? サッカーに必要なこと、中盤の選手に求められている仕事とは何か? 自分の中でも整理しきれなかった論題に、いよいよ取りかかることにした。まだモドリッチが、世界トップレベルの舞台で、世界トップレベルのクラブチームに所属しているうちに伝えなければ。そんな使命感が湧いてきた。

 

このブログでは『ルカ・モドリッチ解体新書』と題して、全三章(10記事)構成でモドリッチの選手的魅力を紹介していく。

 

ルカ・モドリッチ解体新書INDEX]

 〇はじめに

 【第一章 味方を活かすプレー】

  ◇おもてなしパス

  ◇オフ・ザ・ボール

  ◇ポジションチェンジ

 【第二章 自分で仕掛けるプレー】

  ◇華麗なターン&ドリブル

  ◇豪快なミドルシュート

  ◇熟練と献身のディフェンス

 【第三章 それらを実現する能力】

  ◇俊敏かつ持久的なフィジカル

  ◇戦術的インテリジェンス

  ◇モドリッチ・アイ

  ◇●●●●●●●●●●●

 ◯おわりに

 

 

(投稿予定としては第一章を年末年始にアップ、第二章以降は週一の頻度でアップできたらいいなと考えています。お楽しみに!)

 

読者のターゲットは、以下の三者を想定。

ルカ・モドリッチのファン

レアル・マドリードのファン

③サッカーのルールを知っていて、試合も通年で観戦している中級者

 

またこのシリーズ記事では、これまでの彼の人生や私生活、彼の(サッカー以外の)信条には触れないことにする。それらは翻訳された何冊もの本の中で紹介されているし、Wikipediaにも載っており、戦術オタクである自分の語るべき領域ではないと考えたためだ。

 

モドリッチを知れば、サッカーがわかる。サッカーがわかれば、もっとモドリッチが好きになる。どうかルカさんの魅力をなるべく多く、文章で表現できますように。

 

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